日本一積雪が早く、最も雪解けが遅い大雪山連峰に抱かれた旭川市を中心とする大雪エリア。上質なパウダースノーが降り注ぎ、世界で活躍するプロスキーヤーからも高く評価されていることから、選手育成のための合宿地にもぴったりです。今回は道北最大級のスキー場と、近隣にある合宿におすすめのホテルを紹介します。

旭川市内から車でおよそ30分の距離にあるカムイスキーリンクスは、道北エリア最大のスキー場。丁寧に圧雪したバーンをはじめ、非圧雪エリアやツリーランを含めて25本もの多彩なコースを展開しています。

そのうち南側にある白樺1・2コースは国際スキー連盟(FIS)や全日本スキー連盟(SAJ)の公認コースとなっていて、競技会同様の本格的なポール練習が可能。

コースはもともとの地形をベースに、プロスキーヤーたちの声を元に一部を作り込んでいます。最大斜度28度の急斜面と、“ねじれ”のきいたテクニカルな設計で、営業部の阿部純也さんは「スピードコントロールの技術を存分に磨いてください」とPRします。

この理想的な環境から、同スキー場は冬スポーツの合宿地としても人気です。道内外からアルペンスキーのレーシングチームや高校スキー部、社会人チームなど、例年のべ1000人以上が利用しており、大会調整前の短期間、あるいは1～2週間のまとまった日数、レースを意識しながら、集中してトレーニングに取り組みます。

 コースの使用は、前日までに事前申請が必要です。合宿用リフト券の用意もあるので、詳しくはお問い合わせを。

カムイスキーリンクスからほど近い場所に、合宿にぴったりな宿泊施設があります。街なかの利便性を感じられるシティホテルと、喧騒から離れた高台にある心安らぐ和風旅館の合計3軒を紹介します。

旭川駅から徒歩10分のシティホテルで、ホテル内はwi-fi完備。コワーキングスペース(貸し会議室)もあり、プロジェクターや大型スクリーンなどの設備も揃っているので、会議や研修にぴったりの環境が整っています。もちろん館内にはコインランドリーも備えています。

また2021年にリニューアルしたビュッフェ会場では、バラエティに富んだ朝食メニューを楽しめます。いちおしは「北欧風セルフオープンサンド」。生ハムやサーモン、チーズ、キャロットラペなどの具材を好きに盛り付け、おしゃれで健康的なサンドウィッチを作ることができます。

昭和13年創業の老舗の和風旅館。旭川の街を一望する高台に位置し、風情ある日本庭園や、北海道の山海の幸をふんだんに使った料理の数々、自然石を使った野趣あふれる大浴場がゲストを優しくもてなします。高砂台の湧水で打つ香り高いそばは名物のひとつ。館内の蕎麦処「そば扇」は、宿泊客だけでなく、地元市民にも広く親しまれています。

客間は、高級感のある邸宅風の特別室から、将棋の王位戦にも利用された二間続きの部屋、仕切りを開放して4～10名の宿泊にも対応できる部屋など、本館・別館を合わせて17室。また、最大110名収容可能な大宴会場から、少人数の会合に最適な中・小宴会場も備えています。

全室が禁煙で、シモンズ製ベッドを備えており、きれいな空気の中で快適な睡眠をサポートします。また天然温泉の大浴場をはじめ、炭酸泉、ジェットバスや電気風呂、石壺湯、熱気風呂(サウナ)、岩盤浴など多彩な癒しで、合宿の疲れを癒すことができます。

自慢は朝食ブッフェ。旭川や近郊でとれたお米や野菜をふんだんに使い、できたての味を大切に四季折々の料理を提供しています。ほかにも近隣漁港から届く新鮮な刺身で作る海鮮丼、イクラの醤油漬け、また旭川ならではの醤油ラーメンや、旭川B級グルメの「しょうゆ焼きそば」も楽しめます。

◆

旭川空港は東京・名古屋・大阪など主要都市との間に直行便が就航。また街なかからゲレンデまでも、車でおよそ30分とアクセスも良好で、着いたその日からトレーニングをスタートすることも可能です。たっぷりの雪と広々としたゲレンデが待ち構える旭川の冬。みなさんの充実した合宿を約束します。